舌の正しい位置について
舌の正しい位置とは、口を閉じたときに舌先が上の前歯の付け根に触れ、舌全体が上顎にしっかりと沿っている状態を指します。 これに対して舌が下に落ちていたり、下の歯に触れている状態は「低位舌(ていいぜつ)」と呼ばれ、口が常に開いていたり、食事中にくちゃくちゃ音が出る、発音が不明瞭になるなど、さまざまな問題を引き起こします。
舌が正しい位置にないことによるリスク
舌の位置が安定しない主な原因は舌の筋力不足です。舌の正しい機能が果たせないと、以下のようなトラブルにつながる可能性があります。
歯並びや咬み合わせが悪くなる
舌が本来の位置にないと、飲み込む動作のたびに前歯を押してしまい出っ歯になりやすくなります。 特に成長期のお子さまでは、上顎に適切な舌圧がかからないと上顎の発育が不十分になり、永久歯が並ぶスペースが不足してしまいます。その結果、歯並びがガタガタになるリスクが高まります。
口呼吸になる
舌の位置が下がっていると鼻での呼吸がしにくくなり、無意識に口が開いて口呼吸になることがあります。 口呼吸が続くと口腔内が乾燥し、むし歯・歯周病・風邪・ウイルス感染などのリスクが高まります。
発音がしにくい・活舌が悪くなる
舌が上顎にしっかりつかないと、タ行・ナ行・ラ行など舌先を使う音が発音しにくくなります。 舌の筋肉がうまく働かないと言葉がはっきりしなかったり、聞き取りにくくなることもあります。
食べるときに音が鳴る
舌の筋力が弱いと食べ物を押し潰したり移動させたりする動きがうまくできません。 そのため、食事の際に「くちゃくちゃ」という音が出てしまう原因になります。
むせやすい
食べ物や飲み物を飲み込むとき舌は上顎にしっかりと接しています。 しかし舌の位置が下がっていると飲み込みがスムーズにいかず、むせやすくなってしまいます。
いびきをかく
舌が正しい位置にないと寝ている間に舌が喉の奥に落ちて気道を塞ぎ、いびきをかきやすくなります。
顔に歪みやたるみが生じる
舌の筋力が低下すると口元を支える筋肉も弱まり、顔全体のたるみや歪みにつながることがあります。
MFT(口腔筋機能療法)とは

MFTは「Oral Myofunctional Therapy」の略で、舌や唇、頬など口周りの筋肉を正しく使えるようにするためのトレーニングです。 このトレーニングによって舌を本来あるべき位置へ導き、正しい口腔機能を育てていきます。舌や口元の筋肉バランスを整えることで、呼吸、嚥下、発音など多くの面で良い変化が期待できます。
MFT(口腔筋機能療法)をおこなうメリット
矯正治療をスムーズにおこなえる
歯並びを整える矯正治療では、舌癖や口呼吸などの悪習癖が治療の妨げになることがあります。MFTを取り入れてこれらのクセを改善することで治療の進行がスムーズになり、計画通りの歯の移動が期待できます。
矯正治療後の後戻りを防止できる
矯正治療が終了しても、舌の位置や口の使い方が正しくなければ歯並びが再び乱れる可能性があります。MFTで正しい筋肉の使い方を身につけることで、治療後の美しい歯並びを長く維持しやすくなります。
歯並びや咬み合わせの改善に役立つ
指しゃぶりや舌を押し出すクセなどの習慣は、歯並びや咬み合わせに悪影響を与えることがあります。MFTはこうしたクセを改善するため、間接的に歯並びや咬み合わせの改善にも貢献します。
咀嚼・嚥下機能を改善できる
食べ物をしっかり噛んだり飲み込んだりするためには、舌の正しい動きが必要です。MFTをおこなうことで舌の筋力や動きがスムーズになり、むせやすさの軽減にもつながります。
発音や活舌がよくなる
タ行、ナ行、ラ行などの発音には舌の正確な動きが必要です。舌の動きや位置が改善されることで発音が明瞭になり、滑舌も良くなる効果が期待できます。
表情筋が鍛えられ、表情がよくなる
MFTは舌だけでなく、口元の表情筋も鍛えるため顔の印象にも良い影響を与えます。顔全体の筋肉バランスが整い、たるみや歪みの改善、表情の豊かさにもつながります。

